何故雑穀栽培にチャレンジしたか

脱サラ農民となつて5年目を迎えたが、もともと先の見通しがはっきり立っていて始めたわけで
はない。職業としての農業とはどういうものか、部外者には伺いしれない部分が多く、とりあえず
始めてしまつたというのが正直なところである。
当時はちょうど40歳、会社員として20年働いた、60歳定年としてもまだ20年ある。ちょうど折り
返し地点にあったが、そのまま働き続ける気にはならなかった。
今は金がなければ何も出来ない世の中であるが、金を稼ぐ為に働くという構図にはもう飽き飽き
していた。
好きなこと、やりたいことをやってそれを仕事にする、というのが充実して生きるコツだと思うが、
私の場合は、自分の本心を見極める前に働く年齢になってしまった。
社会にでたらもうそんな事を言っている暇はなくなってしまう。
生活するための金を稼ぐ為に働くという構図から抜け出す事はなかなかできなくなる。
しかしそんな事を言っているうちに不惑の40歳になってしまった。
当時は銀行がバタバタと潰れ出した時であり、平成の大不況の始まりの年だった。
先が見えずに皆が困惑していた時期であった。それまでの既定概念が徐徐に崩れだしてきた時
でもあった。これを私は好期到来と考えた。
これを機会に思い切って農業にチャレンジしてみる事を決心した。
不況による解雇を口実として、しばらくゆっくり休む為に、田舎にいって農業をするという事に
した。積極的に賛成する人もいなかったが、それほどの反対もなかった。

しかし、農業をやるとしても、どのような形態にしたらよいのか、色々と研修受けながら、模索した。
結局、雑穀を無農薬で栽培し健康食品として販売する、という方法に落ち着いた。
もともと玄米に雑穀類を混ぜて食べていた事もあり、雑穀類にはそう違和感はなかった。
既存の農家でさえ食っていけなくて離農する時代にあって、新規参入するものが、当たり前の
やり方でやっていけるわけはない。こういう方法以外はないだろうと考えた。

たとえ失敗に終わっても、やりたい事をやったというフィーリングは残る。
ここはひとつ、損得勘定抜きにして、こころの本心に従ってやってみる事としたわけだ。

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