山根六郷の四季

岩手県久慈市山根町は、藩政時代、六村の総称として、「山根六郷」と呼ばれていました。
「山根六郷研究会は、昭和57年山根六郷の山村文化に魅せられた6名で発足し、六郷の人々の「技と心」をまるごと伝承するための記録づくりとして16ミリフィルムによる伝承記録映画「山根六郷の四季」三部作の制作に取り組まれました。昭和58年から平成3年にかけて多大なる
時間を費やし、見事に「ふる里の四季を残す」記録映画を完成されました。
今はVHSテープで購入する事ができます。

簡単に内容紹介をしますと、
 第1作 「麻と暮らし」(いどとくらし)
         昭和20年代までどこの家でも行われていた、麻の栽培から麻布のできる過程を
         縦糸に里人の暮らしの一部を横糸に、六郷の四季を追いました。
 第2作 「山襞の食らし」(やまひだのくらし)
         山根六郷に伝わる伝統的な食文化と年中行事をテーマとしています。
 第3作 「ふるさとの源流」
         自然と語らい「技と心」を伝承する祈りの里、本当の自給自足の山村の暮らしの
         中で育まれた独特の民族文化です。

テープには研究会からのメッセージとしてこう記載されています。

       「ちゃっこいふる里」山根六郷からのメッセージ
       *何をしようとしたのか
        ・六郷の自然や環境と共生する暮らしの技、それらを支え、ていねいに生きる
         「ふる里人」の営みや心象景観に魅せられ、それらの記録と確かな伝承に思い
         をはせ、「源流に真の豊かさ」を問い直し、自らもそのルーツを模索する活動
         でした。

研究会は実に根気の要る地道な活動を続けられ、見事に記録映画としてまとめられたのでした。
私もテープを購入して見せて頂きましたが、こうした労作がなければ、誰にも知られず、現代の便利快適生活の波に押し流され、誰に返り見られる事も無く、消滅していったかもしれません。
見事なお仕事を成し遂げられたと思います。

ここで紹介されているのは、本当の自給自足の山村の暮らしです。
確かに昔の暮らしはこんな感じだったのだろうと思う。このあたりもそうだったと思うし、特別な暮らしではなかったはずである。開発の波によって各地の農村風景は消滅していったが、この地区は比較的遅くまで残ったので、記録に残すことができたのだと思う。
それを平成になるまで伝承として残してくることに成功したのだから、まさに日本人のふるさとの源流と言っても良いのではないかと思う。

静かな山の暮らしと言えば、この地区もそうである。若者などおらず、老人世帯や一人暮らしのお宅も多い。それでも特に文句も言うでもなく、皆静かに暮らされている。
思えば、この五年は、何とか農業で喰っていける程度には成功しなければならぬという思いで、かなり肩に力の入った力んだ状態になってしまったのではないかと思う。
これからはもっと静かな山の暮らし、そのものを見つめて行きたいと思っている。
 「ふる里人」、良い言葉である。 ソウイウモノニ私モナリタイ。
 

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