場の研究

生育環境
写真 1 写真 2 写真 3

写真1・2は穂ひえの苗です。 春に育苗して余ったものをそのままにして置いておいたものです。
勿論これ以上大きくなる事はなく、10cm位でストップしています。
一方、畑に定植した苗は70〜80cmに伸びて出穂間近にまで生育しています。
育苗箱の土は5cm位、肥料分もなく、地面は固い砂利ですから根を伸ばす事もできず、これ以上
成長する事が出来ませんでした。 別にこの苗が悪いわけではなく、畑に定植してやりさえすれば
写真3のように成長できたのです。
写真1のような環境ではヒエといえども大きくはなれない、生育するにはあまりにも過酷な環境だっ
たと言う事です。
鉢やプランター栽培したものが大きくなるにも限度がありますし、水槽の中で飼うと鯉も一定以上
には大きくなれないそうです。
動植物、作物が立派に成育する為には生育するだけの良い環境が必要であると言う事です。
「朱に交われば赤くなる」 「氏より育ち」 人間も育つ環境がとても大切ですよと言う諺も幾つか
ありますね。 
生き物にとっては、生きていくのに良い環境が必要だと言う事に異論は無いと思います。
では、畑作物にとって生育する良い環境とは何か?
それが生育場である土壌であり、土壌を良い環境に整えると言う事が何よりも大事な事であると
いう事にやっと気ずきました。 気象条件などは人為的にどうなる物ではありませんが、場(土壌)
を整えるという事には、なんとか工夫の余地があるように思います。


ここは早生白ヒエを蒔いたところですが、場所によって生育具合がまるで違います。
色が濃いところは40〜50cmに生育していますが、左2列や真ん中付近などは20cm程度です。
畑が今どういう状態になっているかは、当然ながら目で見ても何も解らないわけです。
でも、作物の生育状態でその下の土地の状態が解る。
どうなっているのか、詳しくは解らないまでも、不良の下(土地)は畑ではなくて、穂ひえの育苗箱の
ような状態になっている、不良環境地帯になっていると言えると思います。
この早生白ヒエを蒔いたのは2a程度(約60坪)なのですが、この程度の広さでも生育ムラは必ず
出ます。 作物の生育はなかなか揃わないものなのです。
この黄色くて小さい早生白ひえを見ていると、「ここは環境が悪いですよ〜、生育できるように
ちゃんと整えて下さいね。」と言っている様に聞こえます。      (06/8/3)

自然と人間
考えてみると「農業とは自然と人間の共同作業です」
何もせず、自然にお任せして種を蒔き、それでホイホイ採れてくれれば良いのですがそう上手くは
いきません。 そんな美味い話は残念ながら無いのです。
自然は土地と、太陽の熱と光を、雨を与えてくれているのですから、自然にしてみたら「お前も少し
は働けよ〜」といったところかもしれません。
やっぱり農作業をしないと田んぼは田んぼになりませんし、畑は畑になりません。
農業と言うからには農作業という人為的な行為はどうしても必要になってきます。
そういえば「わら一本の革命」にも、自然と放任と言う事は違うのだと言うような記述があったなぁ・・。

自然農法といえば、「極力人為を排して自然の営みに従って行く」というようなイメージが何となく
ありましたが、私の場合は自然に従うと言うよりはただの放任だったのかもしれません。
だから上手く行くこともあるけれど失敗する事も多い。 収穫が安定しないのは余りにも自然(土地)
に対する働きかけが少なかったからではないかと気ずきました。
農業とは自然と人間の共同作業である、何を今更といった感じですが、結局のところ「気ずく」とは
自分の体験を通じて納得するという事ではないかなと思います。
「雑草緑肥」というのは別に私のオリジナルな発想ではありませんし、土中堆肥作りについても
「土ごと発酵」と言うテーマで現代農業誌にも何度も特集が組まれていたりするのです。
当然私もこうした土作りのテーマについては何度も読んでいるはずなのです。
でも今まではどうしても自分にも利用できる技術であるとは思えなかった。
へぇ〜と思いながら読んではいても、実行しようとまでは思いませんでした。
そんな事をしなくても取れるようでなければおかしい、と言うような考えもありました。
自然のままでそのままで、というような感じでやってきましたが、辿り着いたところは、結局のところ
人の働きがなければ農業は成り立たないと言うごく当然の結論でした。

人の働き
共同作業というからには人も働かなければなりません。
農業においては、「作物が良く育つような環境作りと場づくり(圃場=土)」と言う事になると思います。
種を蒔く、除草する、培土する、支柱を立てる・・・これらは良い環境作りではあっても直接の
場づくりではありません。
農業においては、作物を世話する農作業よりも、その前段階である土作り(場の環境を整える)に
こそ重要なポイントがあるような気がしてきました。
場の環境を整えて種を蒔く、それからが自然の働きであり、秋と供に豊かな実りを与えてくれます。
これからは世話するだけの農作業ではなく、場の環境を整えていく土作りにも力をいれてやって
行きたいと考えています。

私の場合、今までは土地・作物に悪い農薬・化成肥料は使わない、畜糞堆肥(厩肥)は使わない、
トラクターでの深耕(プラウ)はしない、有機肥料は最低限使用するという方法でやってきました。
今後はこれに加えて良き土壌に改良して行く為の雑草緑肥・土中堆肥作りという方法を加えて
行きたいと思いますし、更により良い方法があるかもしれません。
今後も色々な方法を研究して行きたいと思っています。              (06/8/22)

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